ナマステ!どうも、ボネコロです。
今回は自分の体験談を話していこうと思います。
では、さっそく始めていきます。
幼い頃、私と近所の子供たちは家から歩いてすぐの公園で楽しく遊んでいました。
ドッチボールをしたり、鬼ごっこをしたり。疲れたら木陰で一休みする。
そんな平和で牧歌的な日々を過ごしていました。
が、ある日私たちが公園に行くと昨日何もなかった場所に一夜城のごとくバラックがそびえたっているではありませんか!
冒険心あふれる私たちはバラックの扉を叩きました。
少しして出てきたのはお坊さんの恰好をしたしわくちゃの老人でした。
彼は名を金さんと名乗り、私たちの遊びに加わりました。
とは言っても所詮しわくちゃの老人なので私たちの遊びにはついていけず、代わりに私たちに武勇伝を話してくれました。
内容は今思い返すと教団の幹部を叩いたとか木魚を3階から放り投げたなどどう考えても僧侶とは思えないエピソードばかりでしたが、私たちは「一人を除いて」疑うことを知らなかったのでいつも目を輝かせてその話を聞いていました。
「一人を除いて」です。疑うことを知っていた彼の名前はTくん(仮称)。
グループのリーダーで6人兄弟の長男ということもあり、とてもしっかりとしていました。
金さんがやってきて6日目、彼はその才能を発揮します。
金さん「そのアホをわしが直々に杖で叩いて追い出し
Tくん「え?そんなことしたらハンザイだよね、金さんってハンザイシャなの~^^」
金さん「ワシが若い頃はモテモテで
Tくん「じゃあ、何で奥さんが出来てないの~^^」
次々と金さんのエピソードを破壊していくTくん。
この流れを一言で表すならまさに「画期的」でした、年を取った強いはずの大人に年を取ってない若いリーダーが勝っている。
羨望の目がTくんに向いていくのが嫌でも感じ取れます、金さんもそうだったのでしょう。
目をグルグルと動かし、顔を俯かせていました。
そうして30分程経った時、その時は訪れました。
いきなり金さんが話を切り上げ、バラック小屋の中に戻ってしまいました。
皆は不安がりますが、Tくんは意気揚々と言いました。
「皆!あんなウソツキジジイほっといてあっちで遊ぼ
バン!
バラックの戸を蹴り、轟音とともに出てきたのは目は血走り、顔には憤怒の表情が刻まれ、手には仰々しい修行杖を持った、さながら南大門金剛力士(仁王)像がそこにはいました。
金剛力士像はただならぬ様子に震える私たちを横切り、その手にしている杖をTくんの頭にフルスイングしました。
側頭部にクリーンヒットしたTくんはよろめき、その場に倒れこみました。
私たちは散り散りに家へと逃げ帰り、リーダーの安否を祈りました。
その後、Tくんのご両親が泣きながら帰ってきたTくんから全てを聞いて警察に通報したことで金剛力士像は捕まりました。Tくんは全くの無傷で無事でした。
どうやら金剛力士像は老朽化によって力が弱くなっていたみたいです。
Tくんは次の日元気に遊びにきました。
金剛力士像のバラック小屋は解体され、私たちは悪いことをしたとはいえお話をしてくれた金剛力士像と会えなくなってしまうことに寂しさを感じました。
しかし、その一週間後今度は銀さんと名乗る金剛力士像がまた一夜城バラックを建設して住み着きました。ちなみに次の日には跡形も無くなってました。
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/25048751?title=%E9%87%91%E5%89%9B%E5%8A%9B%E5%A3%AB%E5%83%8F%E3%80%80%E5%90%BD%E5%BD%A2